渡米をきっかけにデルタ航空のマイレージ会員になり、様々なことが重なった結果今年1年はシルバーメダリオンのステータスをいただけることになりました(すごく単純に言えば、年間5,000ドルを航空券に使うとシルバーになるので、比較的達成しやすいステータスかと思います)。これで、米国の国内線(デフォルトだと荷物預入れは有料)に乗る時に荷物が一つ無料になったり、座席指定の幅が広がったりします。
というわけでスカイチームの航空会社との縁が生まれ、米国とヨーロッパを移動する際にそれなりの頻度で利用しているのがエールフランス、言わずと知れたフランスを代表する航空会社です。今回は、モロッコから米国にフランス経由で移動した際の搭乗レビューとなります。
これまでも私がエールフランスを利用したのは数回ありますが、コロナ前にヨーロッパ圏内のエコノミークラスで利用したのと、パリ〜デリーのプレエコ(これはじきに書くかもしれませんが何とも言えないフライト)、パリ〜ボストンのビジネスクラス(以下リンク:これまで利用した全てのフライトで最高と言っても過言ではない)だったのですが、長めのエコノミークラスに乗るのは実は初めてで、気になっていたところです。実はパリからモロッコのカサブランカに移動した際はAFのビジネスクラスを利用したのですが、それは別の機会に御紹介するかもしれません。
1. マラケシュ〜パリ
4時間程度の国際線ですが、機材はナローボディのA320です。大陸を跨ぐので大型の飛行機か?と思いきや、予約の時に確認したところ全て小型の飛行機でした。パリ〜カサブランカもエールフランスの便が1日3便ありますが、これもまた同じく。4時間程度だと短(中)距離扱いなんですね。ビジネスクラスの座席もエコノミークラスと同じ(真ん中はブロック)です。
マラケシュ空港は市街地からほど近く、バスを使うと格安(数百円)で空港まで行けるのですが、30℃近くの十分暑い気候の中、重めのスーツケースを持って(しかも事情があり今回は2つも)宿から石畳を十数分歩くのは結構しんどかったので、inDriveという現地の配車アプリでタクシーを呼ぶことに。それでも15分程度乗車して50ディルハム(800円とか)だったので十分お得です。ちなみにモロッコではUberは使えません。

マラケシュ空港自体はコンパクトなのですが、出国にそれなりに時間を要しました。別に全員がそうというわけではなくケースバイケースなのでしょうが、滞在中何をしていたかなど結構長めに聞かれました。怪しい荷物を調べるとかならまだしも、国から出て行く人に色々聞いてどうするつもりなのか。

出国後の待合スペースにもカフェなど(Paulとかも)ありますが、やはり空港なのでお高めですね。あまり座席は空いていませんでしたがとりあえず電源とWifiが使えたので良いでしょう。

モニターなどはついていないので安全に関する説明はCAさんによるデモンストレーション。その後マラケシュから定刻通り離陸し、安定飛行に入ると国際線なので機内食があります。

ヨーロッパ内だとアルコールは提供されないのですが、中距離国際線だとどうなのか。今回は朝だったこともありリンゴジュースをお願いしたため、ちょっとわかりませんでした(ビジネスクラスはシャンパンをはじめアルコールも確実にあります、エコノミークラスもおそらくあるはず)。
食事はきゅうりとチーズのサンドイッチ、記憶ではもう一種類(トマト)が選べた気がします。エールフランスでよくある美味しいビスケットと共に提供されました。私はホテルでしっかり朝食を食べたのでこれくらいでありがたかったですが、一般的に考えると量は少ないですね。

Wifiはテキストだけは無料で使えるのですが、Web閲覧は有料。モニターもないため感覚としては国内線の延長というか、何もない(穏やかな時間が流れる)フライトでした。
シャルル・ド・ゴール空港はとにかく広いので沖止めやゲート次第では乗り継ぎにかなり時間を要するのですが、今回はそのようなこともなくターミナル中央付近のゲートに到着、ボーディングブリッジから降機できました。
2. パリ〜ボストン
乗り継ぎについて、特段ラウンジに入れるわけでもなく、しかも今回は到着便が時間通りに到着したため、結構時間を持て余していました。しかしボストン行きの搭乗ゲート前にかなり多くの座席があったため、比較的快適に待ち時間を過ごすことができました。

機材はA350-900、新しいのと飛行中も静かなので快適です。エコノミークラスでも枕とブランケットが提供されました。

座席の広さも十分で、かつモニターで機外カメラがついていたり、最新の映画が豊富だったり(AFは映画の本数多いと思います)。座席で爆睡できないタイプの人間なので、深夜便だとちょっと憂鬱ですが、7時間の昼のフライトなら全然大丈夫です。

こちらも定刻で出発、前回は1時間ほど遅れて出発したもののビジネスクラスだったのでさほど何も感じていませんでしたが、今回はなるべく早く着いてもらいたい(笑)。
7時間超のフライトで、機内食は2回提供されます。最初の機内食の前にドリンクのカートが回ってくるところは他の航空会社と同じですが、なんとエールフランスの場合エコノミークラスでもシャンパンをいただくことができます。前の席の人がスパークリングワインはあるか尋ねていたのですが、CAさんの回答が「Sir, フランスにはスパークリングワインというものはなくて、代わりにシャンパンと呼んでいます」というユーモラスなものだったので笑ってしまいました(註:フランスにもスパークリングワインはあります。。シャンパーニュ地方で作られたものだけがシャンパンですが、例えばボルドーとかでもスパークリングワインを作っているので)
私もシャンパンをお願いしたのですが、アルコールに加えて他にも何かいるか聞いてもらえるあたり嬉しいですね。ルフトハンザだったか、ヨーロッパの航空会社のトマトジュースが美味しいとどこかで聞いたので、トマトジュースをもらったのですが、一緒に"セロリ塩"をいただきました。聞いたことがなかったのですが、確かにトマトジュースに塩を少し入れて飲むのもありですよね。ただなんというか、洒落ていますね。さすがAF。ちなみにトマトの味が濃厚ですごく美味しかったです。
機内食はチキン(マッシュポテト)かパスタ(ベジタリアン)だったのでチキンにしたのですが、思っていたのとは少々違う見た目、というか色合い。。

肝心の味については、少し塩味が濃いような気もしましたが美味しかったです。前月にANAの北米線に乗って美味しい機内食を堪能したので、機内食の量・質を比較してしまうと酷ですが、欧米あるあるの麦とか色々入ったサラダも好みですし、フランスのチーズもいつでも美味しいし、エコノミーでちゃんとした食事が出るのは嬉しくなりますね。
食後は暗くなりますが、映画を見るなどしてまったりと過ごしておりました。このフライトだったか失念しましたが、最近のフライトでハクソーリッジ(沖縄戦を描いた2016年の戦争映画)があって非常に面白かったです。戦争自体は米国側からの描写ですが、何というか生き方・信念とは何かということについて考えさせられます。オッペンハイマーも機内で観まして、時系列が最初難しかったですが「偉人の苦悩」系の映画は(Beautiful Mindなど)やはり好きだと再確認しました。しかし、日本でプチ炎上した理由はわからず(分かるのですが理解できず)。

着陸1.5時間程度前になると、2度目の機内食が配られます。サンドイッチとマドレーヌ、飲むヨーグルト。温かいドリンクも一緒に頼めるのですが、ホットチョコレートをお願いしました(時差ボケ回避という意味では、出発地ではもう夜・到着地は昼という時間帯なのでカフェインの入ったものの方が良かったかもしれません:ちなみにAFのコーヒーは毎度美味しいので、濃い目が好きな方にはおすすめです)。ホットチョコレートは普通に美味しいのですが、マドレーヌが甘かったので甘くないものにすればよかったと一抹の後悔。
その後無事ボストンに着陸。ボストンは国際線の到着は全てTerminal Eです。到着ラッシュの時(あとは学生が多くなる時期?)は入国に30分以上とか普通にかかるのですが、15時過ぎに到着したこの日は非常に空いており、待ち時間ゼロ、2分くらいで入国できました。ちなみにボストン空港からボストンの市内は、特定の公共交通機関(シルバーラインというBRT又はローガンエクスプレスというバス)を使うと無料で移動できます。車社会だから利用促進のため?でもさらに採算取れなくなるのでは…?米国の交通インフラは謎が多い(というか様々な意味で健全ではない)ことも多いのですが、一利用者としてとりあえず無料なのはありがたいことです。
以上、今回はエールフランスのエコノミークラスについてでした!以前からクオリティは信頼しており、しかも価格もそれなりにお得な航空会社なので総じておすすめしているのですが、今回も非常に快適かつ便利なフライトを利用することができ感謝です。あわよくばもう一度ビジネスに乗りたい。。!